
フェアトレードに取り組む日本企業10選|社会貢献と持続可能なビジネスの両立
update: 2024.12.31
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フェアトレードに取り組む日本企業10選|社会貢献と持続可能なビジネスの両立
フェアトレードは、持続可能な経済成長と公平な取引を目指す国際的な運動です。日本においても、多くの企業がこの理念に共感し、フェアトレード商品を取り扱うことで、生産者の生活向上や環境保護に貢献しています。本記事では、フェアトレードに積極的に取り組んでいる日本の企業10選を紹介します。
フェアトレードに取り組む日本企業10選|社会貢献と持続可能なビジネスの両立
フェアトレードとは?企業が取り組む意義
フェアトレードは、発展途上国の生産者や労働者の権利を守り、持続可能な発展を支援する取引の仕組みです。企業がフェアトレードに取り組む理由には、社会的責任の遂行、ブランドイメージの向上、持続可能なサプライチェーンの構築などがあります。日本では、消費者の意識向上と共にフェアトレード市場が拡大しており、多くの企業が積極的に参入しています。フェアトレードは、企業の社会貢献と経済的利益の両立を可能にする重要な取り組みとして注目されています。
フェアトレードの仕組みや意義についてはコチラの記事で詳しく紹介しています。
フェアトレード認証製品を扱う日本企業10選
フェアトレードカンパニー株式会社(ピープルツリー):日本初のフェアトレード専門企業

日本初のフェアトレード専門企業として1995年に設立。衣料品、食品、雑貨など幅広い製品を扱い、途上国の生産者支援に力を入れています。「手作り」「自然素材」「伝統技術」をキーワードに、生産者の技術向上や自立支援プログラムを実施。オーガニックコットンの普及にも貢献しています。
出典:ピープルツリー公式ウェブサイト (https://www.peopletree.co.jp/)
イオン株式会社:大手小売業のフェアトレード展開

2004年に日本の小売業で初めてフェアトレード製品の販売を開始。プライベートブランド「トップバリュ」でフェアトレードコーヒーやチョコレートを展開。2014年からは「フェアトレード調達プログラム」を導入し、認証原料の調達量を拡大。店頭での啓発活動や、フェアトレード月間の実施など、消費者教育にも注力しています。
出典:イオン サステナビリティ報告書 2023 (https://www.aeon.info/sustainability/report/)
スターバックス コーヒー ジャパン:コーヒー業界のフェアトレード先駆者

2002年に日本でフェアトレードコーヒーの提供を開始。「C.A.F.E. Practices」という独自の倫理的調達基準を設け、生産者の生活向上と環境保護に取り組んでいます。2015年にはすべてのエスプレッソベースドビバレッジに100%エシカルソーシングコーヒーを使用。農家支援プログラムも実施しています。
出典:スターバックス ジャパン 公式サイト (https://www.starbucks.co.jp/)
株式会社ファンケル:健康食品・化粧品のフェアトレード

株式会社ファンケルは、健康食品や化粧品を扱う企業として知られていますが、フェアトレードにも積極的に取り組んでいます。2009年からフェアトレード認証のルイボスティーを販売開始し、その後もフェアトレード認証の原料を使用した製品を拡大しています。特に、化粧品原料としてフェアトレード認証のシアバターやアルガンオイルを採用し、途上国の女性の経済的自立支援にも貢献しています。また、社内でのフェアトレード製品の利用促進や、消費者向けの啓発活動にも力を入れています。
出典:ファンケル CSRサイト (https://www.fancl.jp/csr/)
株式会社良品計画(無印良品):衣料品のフェアトレード

2007年からフェアトレードコットン製品の販売を開始。主に衣料品でフェアトレード認証綿を使用し、製品ラインナップを拡大しています。生産者支援として、インドの綿花農家に対する有機栽培技術の指導や、適正価格での買い取りを実施。環境に配慮した持続可能な生産にも注力しています。
出典:無印良品 公式サイト (https://www.muji.com/jp/ja/sustainability/)
ネスレ日本株式会社:カカオ豆のフェアトレード

2009年から「ネスカフェ プラン」を実施し、コーヒー豆の持続可能な調達に取り組んでいます。フェアトレード認証カカオを使用したキットカットも展開。農家への技術指導や苗木の提供、女性の能力開発支援など、包括的な生産者支援プログラムを実施。2025年までにすべてのカカオを持続可能な方法で調達することを目指しています。
出典:ネスレ日本 サステナビリティ (https://www.nestle.co.jp/csv)
株式会社ナチュラルハウス:健康食品とフェアトレード

健康食品や自然食品を扱う小売チェーン。フェアトレード認証のコーヒー、紅茶、チョコレートなどを販売しています。オーガニックとフェアトレードを組み合わせた製品に注力し、消費者への啓発活動も積極的に行っています。店頭でのフェアトレード製品の紹介や、イベントの開催を通じて、フェアトレードの意義を伝える取り組みを実施しています。
出典:ナチュラルハウス公式サイト (https://www.naturalhouse.co.jp/)
株式会社オルター・トレード・ジャパン:バナナのフェアトレード

1987年設立の民間貿易団体。フィリピンのバランゴンバナナを中心に、コーヒーや砂糖などのフェアトレード製品を扱っています。生産者との直接取引を重視し、長期的な関係構築に努めています。環境保全型農業の推進や、生産者の生活向上支援、自然災害時の緊急支援なども行っています。
出典:オルター・トレード・ジャパン公式サイト (https://www.altertrade.co.jp/)
UCC上島珈琲株式会社:持続可能なコーヒー生産支援

2004年からフェアトレード認証コーヒーの取り扱いを開始。自社ブランド「ゴールドスペシャル」シリーズでフェアトレードコーヒーを展開しています。生産国での直接取引や長期契約を通じて、生産者の安定した収入確保に貢献。また、コーヒー農家への技術指導や品質向上支援、環境保全活動なども実施しています。
出典:UCC上島珈琲 CSR活動 (https://www.ucc.co.jp/company/csr/)
株式会社カンロ:キャンディ・グミのフェアトレード

株式会社カンロは、1950年創業の老舗キャンディメーカーです。2019年からフェアトレード認証カカオを使用した製品の販売を開始しました。主力商品である「金のミルク」シリーズにフェアトレード認証カカオを使用したチョコレート味を導入し、その後もフェアトレード認証原料を使用した商品ラインナップを拡大しています。同社は、持続可能な原料調達を経営方針の一つとして掲げており、フェアトレード認証製品の拡大を通じて、カカオ生産者の生活向上と環境保護に貢献しています。また、消費者向けのフェアトレード啓発活動にも積極的に取り組んでいます。
出典:カンロ公式ウェブサイト (https://www.kanro.co.jp/csr/)
フェアトレード企業の選び方
フェアトレード企業を選ぶ際は、以下の観点で企業を比較することができます。
- 認証:国際フェアトレード認証ラベルやその他の信頼できる認証を取得しているか確認します。
(国際フェアトレード認証ラベル:画像をはれたらはる)
- 透明性:サプライチェーンや取引内容について、詳細な情報を公開しているかチェックします。
- 生産者支援:単なる取引だけでなく、生産者の技術向上や生活改善のための具体的な支援プログラムを実施しているか調べます。
- 環境への配慮:持続可能な生産方法や環境保護活動に取り組んでいるか確認します。
- 長期的な関係:生産者との長期的なパートナーシップを重視しているか調べます。
- 製品の品質:フェアトレードと品質の両立を図っているか確認します。
- 情報発信:フェアトレードの意義や重要性について、積極的に消費者教育や啓発活動を行っているか注目します。
これらの要素を総合的に評価し、自分の価値観に合った企業を選ぶことが大切です。
まとめ
フェアトレードの未来は、SDGsとの連携強化や技術革新によって発展が期待されます。ブロックチェーンやAI技術の活用で、取引の透明性向上や生産性改善が進むことも予測されています。
企業の役割は、これらの動向を取り入れつつ、持続可能な社会実現へのリーダーシップを発揮することです。具体的には、公正な取引の確立、環境負荷低減、生産者支援、消費者教育などが重要です。
また、企業間連携を通じて、より効果的なフェアトレードの実践が可能になります。フェアトレードを持続可能なビジネスモデルの核と位置づけ、企業活動全体に浸透させることで、企業価値向上と社会課題解決の両立が期待できます。
update: 2024.12.31