Pursuing Career In Social Impact

#Environmental Issues / #Poverty Issues / #Education Issues / #Marine Issues /
#Gender Issues / #Urban Development & Infrastructure / #Food security & Hunger issues /
#Ethical Consumption & Production / #Labor Issues / #War, Refugees & Migration Issues

Magazine

地方創生/まちづくりとは?自治体・企業・NPOの取り組みを事例付きで解説

update: 2024.12.29

地方創生/まちづくりとは?自治体・企業・NPOの取り組みを事例付きで解説

 

「地方創生」や「まちづくり」と聞いて、なんとなくイメージは湧くものの、その具体的な取り組み内容や方法まではわからないという人も多いのではないでしょうか。

このページではそんな方に向けて、地方創生/まちづくりの定義方法、さらに自治体・企業・NPOの取り組みの内容を、実際の事例を用いて解説しています。

ページの最後には、このページを読んでいただいたみなさんがすぐに実践できる取り組みもご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

地方創生・まちづくりとは?

まずは、「地方創生」と「まちづくり」の定義を簡単に説明します。

一般的にこれら2つの言葉は混同されがちですが、実はそれぞれ異なる意味・目的を持っています。

  • 地方創生・・・多くの場合、政府自治体によって主導される取り組み。具体的には、地方の人口減少対策や、経済の活性化、教育・医療・インフラの整備、観光振興など、比較的大規模な取り組みが行われます。
  • まちづくり・・・主に地域住民企業NPOなど、民間が主体となる取り組み。比較的規模は小さいものの、一つ一つの地域に密着した活動が多く行われます。例えば、住環境の改善や、コミュニティの活性化、文化・歴史の継承など。

 

このように、取り組みの主体や規模、目的が異なる「地方創生」と「まちづくり」ですが、どちらも地域を活性化させるという点では共通した取り組みと言えます。

 

地方創生/まちづくりの主な4つの方法。具体的には何をする?

 

では実際、地域を活性化させるためにどのように地方創生・まちづくりが行われているのでしょうか。

具体的な取り組み事例をご紹介する前に、この章ではその主な方法を4つ解説します。

 

①移住・定住の促進

一つ目は、その地域への移住・定住の促進です。移住者・定住者が増えれば、その地域の人口減少対策につながり、また特に若い世代を呼び込むことができれば、同時に地域経済の活性化も期待できます。そのため地方創生の施策として、実際に若者向けの住居の提供を行ったり、就職支援子育て支援を実施したりして、若い世代が住みやすい環境を整える取り組みを行う自治体もあります。

 

②コミュニティの形成・活性化

まちづくりの一環として地域にコミュニティを形成することで、その地域の人々がより住みやすい環境をつくることができます。具体的には、自治体や企業が都市開発の中で、住民たちが日常的に集まりやすい場所・空間をデザインしたり、あるいはNPOなどが、住民たちが定期的に集まれるイベントや機会をつくったりすることで、住民同士の交流やつながりが生まれて孤独感が解消されたり、地域にとっては住民の定住の促進にもつながります。

 

③持続可能な都市開発

持続可能な都市開発も、まちづくり/地方創生の取り組みの一つです。例えば、環境に配慮した「エコシティ」や、インフラにデジタル技術を利用した「スマートシティ」を開発することで、街のエネルギー消費を持続可能にし、さらに住民の利便性・快適性を向上させて住環境を全体的に改善することができます。そして同時に、それらの都市開発は地域に新たな雇用を生み出すことにもつながるため、結果的に地方創生にも寄与するのです。

 

④地域資源を活かした文化・観光振興

地域活性化のために、その地域の特産品や文化・芸術などの資源を活かす方法もあります。特に、それら地域独自の資源を観光資源として活用することで、地域に観光客を呼び込んで経済の活性化を促すことができ、また観光客に地元の農産物や工芸品をアピールすることで、結果的に観光産業だけでなく、地域の農業や伝統産業の発展にもつなげることができます。

 

地方創生/まちづくりの取り組み事例

前の章では、地方創生・まちづくりの主な方法を4つご紹介しました。

最後にこの章では、実際にそれら4つの方法を活用した自治体、企業、NPOの取り組み事例をご紹介します。

 

自治体の取り組み事例

長野県飯山市(移住・定住の促進)

長野県飯山市は地方創生の施策として、空き家を再利用して移住者向けに安価で住宅を提供したり、地域内の企業と連携して就業機会を提供したり、さらに保育所の拡充などの子育て支援も行い、特に若い世代の移住・定住を促しています。

福岡県福岡市「アイランドシティ」(都市開発)

福岡市は、その内部にある「アイランドシティ」と呼ばれる街で、都市の緑化再生可能エネルギーの利用など、環境に配慮した都市設計を行うと同時に、都市管理や交通にIT技術を活用して効率化を図る「スマートシティ」の実現も進めています。

香川県小豆島(観光振興)

香川県小豆島では、特産品であるオリーブを活かした観光振興が行われています。特にオリーブに関連するイベントの実施や観光施設を通して観光客の誘致を行い、地域経済の活性化を目指しています。

企業の取り組み事例

・パナソニックによる「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」(持続可能な都市開発、コミュニティの形成・活性化)

パナソニックをはじめとした企業が藤沢市(神奈川県)と協働でつくりあげた「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」では、パナソニックの技術力を活かして、太陽光発電や家庭内蓄電池を備えたエコ住宅を建設するなど、「エコシティ」の実現を行うと同時に、コミュニティセンターの設置や、地域イベントの実施などを通して、住民同士の交流も促進しています。

・星野リゾートによる「星野リゾート 界 津軽」(文化・観光振興)

青森県大鰐町にある「星野リゾート 界 津軽」は、地域の伝統文化や自然を活かした宿泊施設を提供し、観光客を呼び込むことで地域経済の活性化を図っています。また、地元の農産物や工芸品を施設の中に積極的に取り入れることで、地域農業や伝統産業の発展にも寄与しています。

 

NPOの取り組み事例

・NPO法人パルシックによるコミュニティカフェ「みんかふぇ」(コミュニティの形成・活性化)

NPO法人パルシックは、人と人とが気軽に集える場所、ホッと一息できる場所、困った時には相談出来るような場所」を目指し、東京都葛飾区でコミュニティカフェ「みんかふぇ」を運営しています。同カフェは地域住民の交流の場としてだけでなく、子ども食堂としても機能しており、さまざまな人の「居場所」づくりに貢献しています。

・NPO法人日本都市計画家協会による「まちづくり支援」(都市開発)

NPO法人日本都市計画家協会は、まちづくりに関する経験やノウハウを活かして全国各地のまちづくりを支援する団体です。具体的には、主にまちづくりに関する相談事業や地域の人材育成事業、さらに災害時には街の復興支援にも取り組んでいます。

まとめ|今すぐわたしたちにできる取り組み

このように、地方創生/まちづくりの主な方法は、

・移住・定住の促進
・コミュニティの形成・活性化
・持続可能な都市開発
・地域資源を活かした文化・観光振興

などがあり、実際に自治体や企業、NPOなどが、それぞれの団体の強みや地域の特色、独自性などを活かしながら、さまざまな取り組みを行っています。

そしてその中には、実際に私たちが今すぐできる取り組みもあります。

例えば、地域の住民が集まって交流できるようなイベントや機会をつくることで、コミュニティの形成や活性化につながります。

さらに、ウェブサイトやSNS、あるいは対面のイベントなどで地域の伝統文化を発信することで、地域の文化・歴史を継承できます。同時に地元の特産品を発信すれば、観光振興、ひいては地元産業の活性化にも寄与できるかもしれません。

まちづくり・地方創生の取り組みは、案外わたしたちが身近にできることも多いのです。

update: 2024.12.29