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【2026年最新】今も紛争が続く地域はどこ?原因から日本への影響、平和構築を「仕事」にするキャリアまで徹底解説

update: 2026.5.10

【2026年最新】今も紛争が続く地域はどこ?原因から日本への影響、平和構築を「仕事」にするキャリアまで徹底解説

ニュースを開けば、ウクライナ、ガザ、スーダン、ミャンマー——途切れることなく流れてくる戦闘の知らせ。「なぜ、こんなにも紛争は終わらないのだろう」。そう感じた経験は、おそらく一度ではないはずです。

2020年代に入って以降、世界は同時多発的に複数の戦争を抱える時代に入りました。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)や国際危機グループ(ICG)といった研究機関は、現在の国際秩序の不安定さは冷戦終結以降もっとも深刻だと繰り返し警告しています。

そして、これは「遠い国の悲劇」では済みません。エネルギー価格、食料価格、円安、安全保障——あなたが来年どんな業界に入り、10年後どんな働き方をするかという未来にも、紛争は静かに影を落としています。

この記事では、2026年現在も継続している主要な紛争地域を一覧で整理しながら、その原因、日本への影響、そして平和構築(Peacebuilding)を「仕事」にするキャリアまでを、信頼できる機関のデータをもとに解説していきます。読み終えるころには、複雑なニュースの見え方が少し変わっているはずです。

2026年現在、武力紛争が継続している主な地域と現状

国際赤十字(ICRC)やオスロ平和研究所(PRIO)の整理によれば、現代の紛争は「国家間戦争」「内戦」「非国家主体同士の衝突」が複雑に絡み合うのが特徴です。まず、いま世界で進行中の主な紛争を一覧で確認しましょう。

地域 主な当事者 開始時期 現在の局面(2026年時点)
ウクライナ ロシア vs ウクライナ 2022年2月 停戦交渉が難航し、戦闘継続
ガザ・パレスチナ イスラエル vs ハマス 2023年10月 2025年10月停戦合意。第2段階移行も散発的衝突続く
スーダン スーダン国軍(SAF) vs 即応支援部隊(RSF) 2023年4月 世界最大の人道危機・飢饉発生
ミャンマー 国軍 vs 民主派・少数民族武装勢力 2021年2月(クーデター) 軍政主導の選挙・新政権発足、内戦継続
サヘル地域 マリ・ブルキナファソ等 vs ジハード勢力 2010年代〜 首都包囲など事態悪化
イエメン フーシ派 vs 暫定政府等 2015年〜 紅海航行への影響継続

それぞれの最新動向を見ていきます。

参考:International Crisis Group「10 Conflicts to Watch in 2026」 ACLED Conflict Watchlist 2026

1. ウクライナ・ロシア情勢:長期化する消耗戦の影響

2022年2月のロシアによる全面侵攻から、戦争は5年目に突入しました。日本国際問題研究所の分析によれば、米国で第2期トランプ政権が発足して以降、停戦に向けた仲介は加速し、2025年11月には当初28項目に渡る新たな停戦案が提示され、その後20項目へと整理されて交渉が進んでいるとされています。

しかし合意への道は険しく、2025年12月の首脳会談でもロシアの占領地域の帰属等を巡り交渉が難航し、合意には至りませんでした。2026年5月時点でも、ロシアとウクライナはトランプ大統領が提案した停戦を受け入れる方針を示しながらも、双方が互いに停戦を守っていないと発表する状況が続いています。

戦闘の長期化は欧州だけの問題ではありません。戦争の影響は東アジアにも波及しつつあるとの指摘もあり、日本の安全保障にも直結する課題です。

参考:日本国際問題研究所「戦略アウトルック2026 第6章」 外務省「ウクライナ情勢」 NHKニュース「ウクライナ情勢」

2. 中東(ガザ・イスラエル・周辺国):歴史的背景と人道危機

ガザでは、長期化していた戦闘に一定の節目が訪れました。2025年10月に成立したイスラエルとハマスの停戦合意の「第1段階」は形式上完了したと位置づけられる一方、停戦発効後もイスラエル軍によるガザでの限定的・散発的な軍事行動は継続しており、民間人被害が完全に止まったわけではありません。

2026年1月14日、米国のウィトコフ中東担当特使は、停戦合意が第2段階に移行することを発表し、停戦から非軍事化、技術官僚による統治、そして復興へと移行する方針を示しました。

しかし人道状況は依然として深刻です。国連世界食糧計画(WFP)の食糧安全保障分析では、ガザでは依然として飢餓が続いており、5世帯に1世帯は毎日1食しか食べていないとされています。

さらに2026年2月28日には、米国とイスラエルが初めて合同で対イラン軍事作戦を実施し、中東地域、ひいては国際社会全体に深刻な影響が波及する複合的な危機をもたらしています。

参考:外務省「ガザ情勢」 JETRO「米ウィトコフ特使、ガザ地区停戦合意『第2段階』への移行を発表」 国連WFP 中東調査会

3. アフリカ(スーダン・サヘル等):「忘れられた紛争」と世界最大の人道危機

世界の関心がウクライナと中東に集中するなか、アフリカでは「忘れられた紛争」が深刻化しています。なかでもスーダンの状況は危機的です。

国連UNHCR協会によれば、2023年4月にスーダンで勃発した武力衝突により、1150万人以上が国内外で避難を強いられ、スーダン全土で多くの人々が緊急性の高い食料不安に陥る事態となっています(2026年4月時点)。ダルフールとコルドファン地域では、2026年に入っても武力衝突、空爆、ドローン攻撃は沈静化することなく、民間人はさらなる避難を強いられ、人道支援へのアクセスはますます困難となっています。

2025年10月下旬、即応支援部隊(RSF)はダルフール地方の中心都市エル・ファシールにある国軍司令部を掌握し、ダルフール地方に残った国軍最後の拠点が失われました。国境なき医師団(MSF)も、紛争当事者および同盟関係にある武装勢力が国際人道法を公然と無視し、民間人を攻撃・殺害している状況に強い懸念を表明しています。

サヘル地域も悪化が目立ちます。International Crisis Groupによれば、2025年9月以降、ジハード主義勢力はマリの首都バマコに部分的な封鎖を課しており、サヘル全域における戦争の新たな段階が始まったとされています。

参考:国連UNHCR協会「スーダンへ支援を」 国境なき医師団 スーダン 日本経済新聞「スーダン準軍事組織RSF、西部ダルフールで国軍最後の拠点掌握か」

4. アジア(ミャンマー等):「形式上の民政移管」と続く内戦

日本と地理的に近いミャンマーでも、内戦は終わっていません。

アジア経済研究所の分析によれば、2025年12月から2026年1月にかけて、軍政は治安状況を理由に投票を3段階に分けた総選挙を実施しました。56郡区では治安状況を理由に中止が決定され、国軍はできる限り広範囲で支配を回復し選挙を実施しようと、一部地域への攻勢を強め、戦闘が激化しています。

2026年4月3日、ミャンマー国会はミンアウンフライン前国軍総司令官を大統領に選出。2021年のクーデターで成立した軍事政権の最高権力者が、実質的に現在の権力を継承する形となりました。日本経済新聞の社説は、武力弾圧の死者は約8千人に達し、総選挙を終えた1月末以降も増え続け、反軍勢力も報復をエスカレートさせ、暴力の連鎖が止まらない状況を指摘しています。

「民政移管」の言葉とは裏腹に、現地で犠牲になっているのは市民です。

参考:アジア経済研究所「2025-2026年ミャンマー総選挙」 日本経済新聞「ミャンマー大統領に軍政首脳」 外務省「ミャンマー情勢」

なぜ紛争は繰り返されるのか?背景にある「根本的な原因」

なぜ、紛争はこれほど執拗に繰り返されるのでしょうか。表面的な対立の背後にある「構造」を理解することで、ニュースの読み解き方が変わってきます。

主な要因は次の5つに整理できます。

  • 地政学的な利害関係の衝突:大国間の勢力争いが、地域紛争の代理戦争化を進めている。スーダン内戦には湾岸諸国・ロシア・イランが関与し、ウクライナ戦争では米露・欧州の戦略的対立が背景にある。
  • 資源(エネルギー・食料・水)の奪い合い:原油、ガス、レアメタル、希少金属、農地、水源——希少資源は、紛争の引き金にも継続要因にもなる。
  • ガバナンスの脆弱さと権力闘争:スーダンやミャンマーのように、軍と政治勢力の権力闘争が紛争の起点になるケースは少なくない。
  • SNSによる分断の加速:プラットフォーム上で広がる偽情報やヘイトが、対立感情を増幅させる。
  • 気候変動による生活基盤の喪失:干ばつや水不足が農村部の生活を直撃し、武装勢力への加入を後押しする「気候安全保障」の問題。

そしてもうひとつ、見落とされがちな構造的要因があります。それは「停戦が割に合わない当事者がいる」ということです。戦争で利益を得る武装勢力、武器産業、政治的延命を図る指導者にとって、平和が必ずしも望ましい結果ではないのです。

「悪い人がいるから戦争が起きる」のではなく、「戦争を続けるインセンティブが構造的に存在する」。この視点は、解決策を考えるときの出発点になります。

参考:SIPRI(ストックホルム国際平和研究所) PRIO(オスロ平和研究所) 国連「気候変動と平和・安全保障」

紛争が日本に与える影響は?他人事ではない理由

「日本にいる自分には関係ない」——本当にそう言い切れるでしょうか。紛争は、私たちの生活に多面的に作用しています。

経済への影響としては、エネルギー価格の高騰がもっとも分かりやすい例です。中東情勢の緊迫は原油・天然ガス価格に直結し、電気代やガソリン代として家計に跳ね返ります。さらに、紅海でのフーシ派による商船攻撃はサプライチェーンに影響を及ぼし、欧州〜アジア間の物流コストを押し上げてきました。食料についても、ロシアとウクライナはともに小麦の主要輸出国であり、戦争は世界の食料価格に直接影響を与えています。

安全保障への影響も看過できません。ウクライナ戦争の長期化は、欧州だけでなくアジア太平洋地域の戦略環境にも波及しており、日本周辺においても警戒すべき動きが報告されています。

国際的な役割についても、日本は問われ続けています。G7の一員として、また人道支援大国として、日本がどう振る舞うかは国際秩序の方向性に影響します。2026年4月、外務省は総合外交政策局に「国際和平調停ユニット」を新設し、ウクライナやガザ地区の紛争などを念頭に和平調停外交を強化し、紛争当事国間の調停、停戦後の復興支援などを一元的に担う体制を整えました。

つまり日本は、紛争の影響を受ける側であると同時に、解決に貢献する余地のあるプレイヤーでもあるのです。

参考:外務省「日本の安全保障政策」 経済産業省 資源エネルギー庁 笹川平和財団「和平調停センター」

紛争解決への道筋:国際社会の取り組みと「平和構築」

紛争を「終わらせる」とはどういうことでしょうか。多くの人は軍事的勝利や停戦合意をイメージしますが、それは一段階にすぎません。

国連が長年提唱してきた平和構築(Peacebuilding)という概念は、もっと広いプロセスを指します。具体的には、次のような活動の総体です。

  • 停戦・武装解除(DDR:武装解除・動員解除・社会復帰)
  • 国連平和維持活動(PKO)による治安維持
  • 人道支援(食料・医療・避難民保護)
  • 司法制度の再建と移行期正義(戦争犯罪への対応)
  • 経済復興と雇用創出
  • 草の根の対話と和解プログラム
  • 教育と次世代の価値観形成

つまり、平和構築とは「武器を置かせること」だけでなく、「武器を再び取らずに済む社会をつくること」までを含みます。

民間の動きも活発化しています。2026年4月1日、笹川平和財団は「和平調停センター」を新たに発足させ、近年の紛争のトレンドと平和構築プロセスにおける和平調停の意義、そして日本と民間が果たすべき役割を打ち出しました。

国家だけでなく、民間財団・NGO・個人が和平のプロセスに関わる時代に入っているということです。

参考:国連 平和構築委員会(PBC) 国連平和活動局(DPO) JICA「平和構築」

解決を「仕事」にする:平和を創るキャリアの選択肢

「平和構築に関わりたい」と思ったとき、選択肢はNGOボランティアだけではありません。むしろ近年は、多様なセクターから紛争解決に関わるキャリアが広がっています。

国際機関:政策と現場の両輪を担う

  • 国連事務局・国連平和活動局(DPO):PKOミッションの企画・運営。
  • UNHCR(国連難民高等弁務官事務所):難民・国内避難民の保護。
  • WFP(世界食糧計画):紛争地域の食料支援。
  • UNDP(国連開発計画):紛争後の復興・ガバナンス支援。
  • OCHA(国連人道問題調整事務所):人道支援の調整。

JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)制度は、若手日本人が国際機関でキャリアを始めるための代表的な入口です。

参考:外務省 国際機関人事センター UNHCR Japan 国連WFP日本事務所

国際NGO:現場に最も近いポジション

  • 国境なき医師団(MSF):紛争地での医療支援。
  • 赤十字国際委員会(ICRC):戦時下の人道法の番人。
  • JVC(日本国際ボランティアセンター)、ピースウィンズ・ジャパン、AAR Japanなど:日本発の国際NGOも多数。

医療職に限らず、ロジスティクス、ファンドレイジング、広報、人事など、専門性を活かせる職種が幅広く存在します。

参考:国境なき医師団 日本 赤十字国際委員会(ICRC)駐日事務所 JANIC(国際協力NGOセンター)

政府・公的機関:開発援助という長期戦略

  • JICA(国際協力機構):ODAを通じた紛争予防・復興支援。
  • 外務省:外交、国際協力、和平調停。
  • 防衛省・自衛隊:PKO要員、能力構築支援。

「援助」は、紛争の根本原因である貧困や不平等にアプローチする、もっとも長期的で構造的な平和構築の手段です。

参考:JICA(国際協力機構) 外務省 国際協力 防衛省 国際平和協力活動

民間企業:ビジネスの力で平和に貢献する

ここ数年でもっとも変化が大きいのが、民間セクターです。

  • ESG・サステナビリティ部門:紛争鉱物に関与しない調達、人権デューデリジェンス。
  • 地政学リスク分析(コンサル・金融):シンクタンクや調査会社で、企業の事業判断を支援。
  • 総合商社:紛争後の復興・インフラ整備プロジェクト。
  • 再生可能エネルギー・テック企業:化石燃料依存からの脱却は、紛争予防にも直結。
  • インパクト投資:紛争影響地域での雇用創出を金融面から支える。

「平和に貢献するビジネス」は、CSRの枠を超え、戦略の中核に組み込まれつつあります。

参考:国連グローバル・コンパクト 外務省「ビジネスと人権」

ジャーナリズム・アカデミア:現実を伝え、理論を構築する

  • 国際報道記者・フォトジャーナリスト:現実を世界に届ける。
  • 大学・研究機関:紛争学、平和学、地域研究。
  • シンクタンク:政策提言を通じて意思決定に影響を与える。

事実を正確に記録し続けることもまた、平和構築の不可欠な一部です。

参考:日本国際問題研究所(JIIA) アジア経済研究所(IDE-JETRO) 広島大学 平和センター

学生の私たちが今すぐ始められるアクション

「将来のキャリアを考える前に、今日から何かしたい」。そんな方へ、すぐに始められる行動を紹介します。

  • 信頼できる情報源にアクセスする:UN News、ICRC、SIPRI、ICG、ACLED、JIIA、笹川平和財団、NHK国際報道など。一次情報に触れる習慣は、ニュースに振り回されない思考力を育てます。
  • 人道支援団体に寄付する:UNHCR、UNICEF、MSFなど。少額の継続的な支援は、現場の活動を直接支えます。
  • フェアトレード商品・紛争鉱物フリー製品を選ぶ:日々の購買選択が、紛争経済から手を引く意思表示になります。
  • 学びの選択肢に「平和」を入れる:国際関係論、紛争解決学、地域研究のゼミ。広島・長崎の平和学習や、海外の関連大学院(SOAS、ジョージタウン、PRIOなど)への留学・交換プログラム。
  • 学生団体・モデル国連・インターン:国際協力NGOや国際機関でのインターンは、紛争解決をリアルに体感する最短ルートです。

そして、自分の進路の選択肢に「平和構築」を加えること。これが、長期的にもっとも大きなインパクトを生みます。

参考:国連広報センター 日本国際連合学生連盟(JUNA) JANIC NGOインターン情報

まとめ

ウクライナ、ガザ、スーダン、ミャンマー——2026年現在も、世界中で紛争は続いています。停戦合意が結ばれても、一発の銃声で崩れる脆さを抱えています。

私たちは、こう問われているのかもしれません。「あなたはこの現実を、どう引き受けるのか」と。

紛争を「終わらないもの」と諦めるのは簡単です。しかし、SIPRIやICRC、笹川平和財団といった機関の地道な研究と現場活動、そして外務省の和平調停ユニットの新設のような国家レベルの取り組みは、確かに前進しています。歴史を振り返れば、北アイルランド紛争もコロンビア内戦も、不可能と思われていた和平合意にたどり着きました。

平和を築くことは、貧困削減、気候変動対策、ジェンダー平等といった、すべての社会課題解決の土台です。土台がなければ、その上に何を積み上げても崩れていきます。

そして、その土台を築く仕事は、今この瞬間も、学生のあなたが手を伸ばせる距離にあります。難しいことを「自分ごと」にする勇気は、世界を少しずつ動かしていきます。

update: 2026.5.10