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地方創生に取り組む企業まとめ|多様な業界の大手7社・ベンチャー3社の事例とそれぞれの強み

update: 2026.3.16

地方創生に取り組む企業まとめ|多様な業界の大手7社・ベンチャー3社の事例とそれぞれの強み

 

人口減少や少子高齢化、都市部への人口集中などを背景に、「地方創生」はますます注目されるテーマになっています。本記事では、地方創生の基本的な考え方を整理したうえで、地方創生に取り組む大手企業やベンチャー企業の事例を紹介します。

 

地方創生とは

地方創生の定義

地方創生とは、人口減少や東京圏への一極集中といった課題に向き合いながら、各地域がそれぞれの特徴を生かして、自律的で持続的な社会をつくる取り組みのことです。

もともとは2014年の「まち・ひと・しごと創生法」や関連する総合戦略を軸に進められてきた考え方で、地域で暮らし続けられる環境づくりや、仕事・人の流れを生み出すことが重視されています。

 

参考:まち・ひと・しごと創生法 | e-Gov 法令検索

 

地方創生はなぜ求められているのか

地方創生が求められている大きな理由は、日本全体で人口減少が進んでいることと、人や機能が東京圏に集中しやすい状況が続いていることです。

国立社会保障・人口問題研究所は、2020年を基準に日本の総人口が今後減少していく見通しを示しており、実際に都市部の過密化と地方部の過疎化は急速に進んでいます。それぞれの地域で起こりやすい社会問題はこのようなものがあります。

  • 過疎化が進んだ地域で起こりやすい問題
      • 働き手や後継者が不足し、地域産業が維持しにくくなる
  • 学校、病院、公共交通、商店など、生活に必要な機能が縮小しやすい
  • 空き家耕作放棄地が増え、地域の景観や安全面にも影響が出る
  • 過密化が進んだ地域で起こりやすい問題
  • 住宅価格や家賃の上昇により、暮らしの負担が大きくなる
  • 通勤ラッシュや交通混雑が起こり、生活の快適さが下がる


地方創生に取り組む企業が増えている理由

近年、企業が地方創生に関わる理由は、社会貢献だけではありません。地域課題の解決は、企業にとっても新しい市場づくりや事業機会の拡大につながるからです。国も、地方創生SDGs官民連携プラットフォームや共創ハブなどを通じて、自治体と企業の連携を後押ししています。

 

私たちの手で地方創生を進めていくには

地方創生というと、自治体や企業が進める大きな取り組みのように感じるかもしれません。しかし実際には、地域に関わる方法はひとつではなく、進学や就職、日々の消費行動、地域との関わり方の中にもさまざまな入り口があります

 

地方創生に取り組む企業で働く(新卒/転職など)

地方創生に関わりたいと考えたとき、もっともイメージしやすい方法のひとつが、地域課題の解決に取り組む企業で働くことです。

観光、人材、交通、金融、エネルギー、まちづくりなど、地方創生に関わる業界は幅広く、企業ごとに関わり方も異なります。新卒でそうした企業を目指す方法もあれば、社会人になってから転職によって地域に関わる道を選ぶこともできます。

 

自分の興味のある分野でビジネスを始める

自分の興味のあるテーマを起点に地域課題を解決するビジネスをつくるという方法も、地方創生に大きな効果をもたらします。

たとえば、観光、農業、教育、福祉、デジタル活用など、地域にはまだ十分に活用されていない資源や課題が多くあります。そうしたテーマに目を向けることで、新しいサービスや事業の可能性が見えてきます。

「地域活性化起業人制度」について知る

地方創生に関わる制度のひとつとして、総務省が進める「地域活性化起業人制度」があります。これは、3大都市圏などに所在する企業の社員を地方自治体が一定期間受け入れ、企業で培った専門的な知見やノウハウを地域課題の解決に生かしてもらう仕組みです。

自治体にとっては外部人材の力を取り入れられる点が強みであり、企業や社員にとっても、地域と関わりながら新しい経験を積める制度として注目されています。

 

実際に日本各地で行われてきた事例を一部紹介します。

  • 北海道釧路市

ソフトバンク株式会社の人材を受け入れ、自治体DXの推進に活用しています。庁内業務の改善や、職員のデジタル活用支援など様々な取り組みが進んでいます。

  • 岩手県岩泉町

一般社団法人おかえり集学校の人材を受け入れ、学校や地域のデジタル支援に活用しています。小中学校でのICT支援や、住民向けのIT相談などがあります。

  • 島根県西ノ島町

株式会社ぐるなびの人材を受け入れ、地域産品の開発や食文化の継承に活用しています。地域食材を生かした商品づくりや、学校での食文化学習などに取り組んでいます。

 

参考:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/bunken_kaikaku/02gyosei08_03100070.html

 

身の回りの小さなことから

地方創生は、大きな仕事や制度に関わる人だけのものではありません。

たとえば、

 

  • 地域のお店を利用する
  • 地元のイベントに参加する
  • 地域の魅力をSNSで発信する
  • ふるさとの産品を選んで買う

 

などの行動は地域を支える大きな力になります。最初から大きな挑戦を目指さなくても、身近な一歩を積み重ねることが、地方創生を「じぶんごと」として捉えるきっかけになります

 

地方創生に取り組む大手企業7選

 

デロイト トーマツ グループ(地方創生×コンサル)

デロイト トーマツ グループは、スタートアップや中小企業の支援を通じて地域経済の活性化を目指しています。全国約30拠点のネットワークを生かし、地域の企業や行政と関わりながら、ローカルイノベーションの仕組みづくりに取り組んでいるのが特徴です。

デロイト トーマツ グループでは、地域ごとの課題や段階に応じて、これらの5つの切り口から支援することを表明しています。

 

  • 調査・戦略づくり:地域の課題や方向性を整理する
  • 仕組みづくり:人・資金・情報が集まる土台をつくる
  • 個社支援:地域企業の成長を後押しする
  • 実証実験・社会実装:新しい技術や事業を地域で実際に動かす
  • 広域連携:地域同士をつなぎ、成功事例を広げる

 

 

参考:スタートアップ・中小企業支援を通じた地域活性化 | デロイト トーマツ グループ

 

パソナグループ(地方創生×人材)

パソナグループは、「人材誘致」を軸に地方創生を進めている企業です。淡路島をはじめ、東北・京丹後・岡山などで、自治体や地元企業と連携しながら、雇用創出や新産業づくりに取り組んでいます。文化・芸術・食・健康・教育などを組み合わせて、地域に人を呼び込み、仕事を生み出している点が大きな特徴です

参考:地方創生(京丹後・岡山) | パソナグループ

 

株式会社エイチ・アイ・エス(地方創生×観光)

株式会社エイチ・アイ・エスは、観光を入り口に地域への誘客や交流人口の増加を支援しています。自治体や法人に対して、観光開発、調査、プロモーションだけでなく、商品開発や販売、ブランディングまで支援しており、旅行会社のネットワークを生かした地域創生が特徴です。

ここでは株式会社エイチ・アイ・エスが行う地域支援の取り組みの一部を紹介します。

 

  • 物産プロモーション
    地域の特産品を、リアルとオンラインの両方でPRする取り組みです。観光だけでなく、地域のモノの魅力を広く知ってもらうことにもつながります。
  • 訪日旅行
    海外から日本を訪れる旅行者を増やすために、訪日旅行向けの支援を行います。HISの海外ネットワークを活かせる点が強みになっています。
  • 観光DX
    デジタル技術を活用しながら、新しい観光スタイルやサービスを提案する取り組み。地域観光の活性化や利便性向上を目指す分野といえる。

 

参考:地域創生 | HIS

 

ヤンマーホールディングス株式会社(地方創生×工業)

ヤンマーホールディングス株式会社は、農業機械やエネルギー分野の技術を生かし、地方創生と脱炭素を結びつける取り組みを進めています。

地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入や、エネルギーの地産地消、発電副産物の地域内活用などを通して、雇用創出や人の流れの創出、地域経済の活性化につなげていくことを目指しています。 

参考:地方創生と脱炭素|ENERGY ISSUES|お役立ち情報|エネルギー|ヤンマー

 

株式会社みずほ銀行(地方創生×金融)

株式会社みずほ銀行は、自治体との包括連携協定やDX支援を通じて地域活性化に関わっています。たとえば徳島県との協定では、産業振興、県産品の販売促進、金融リテラシー向上、安全安心な地域づくりなどを連携項目としています。

また、八丈島では観光アプリやデータ利活用基盤の導入を通じて、観光活性化や政策立案の高度化を支援しています。

 

参考:【新連載】地域経済の活性化にともに挑む!みずほ銀行徳島支店と徳島県との協定締結式

 

株式会社レノバ(地方創生×エネルギー)

株式会社レノバは、再生可能エネルギー事業を進める中で、地域との共存共栄を重視しています

地域の自然資源を使わせてもらっているという考えのもと、地域の歴史や文化を尊重し、新たな価値を共に創ることを掲げています。実際に、発電所の開発段階から住民説明や対話を行い、地域の懸念を受けて設備方式を見直した事例もあります。 

 

参考:地域・社会への取り組み | 株式会社レノバ

 

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)(地方創生×交通)

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、交通インフラを基盤にしながら、地域との共創で地方創生を進めています。交流人口・関係人口・定住人口の拡大を目的に、地域とともに課題解決に取り組む「伴走型地域づくり」を推進しています。

観光流動の創出や地域活性化策を年間30件実施するKPIを掲げている点も特徴的です。

参考:地方創生|活力ある社会のために|サステナビリティ|企業サイト:JR東日本

 

地方創生に取り組むベンチャー企業3選

 

ADDress(地方創生×住まいのサブスク)

ADDressは、多拠点居住の仕組みを通して、地域との新しい関わり方を生み出しています。空き家や空き部屋も活用しながら、旅先だった地域を「暮らす場所」に変え、関係人口の拡大や地域との継続的な繋がりを生み出しています。

ADDressのサービスには他にはない特徴があります。

 

  • 国内/海外300箇所の家に泊まれる
  • 家をシェアするので旅がより楽しい
  • 毎月プラン変更が可能で自分のペースで楽しめる

 

参考:ADDress

 

UPDATER(地方創生×再生可能エネルギー)

UPDATERは、再生可能エネルギーを通して、地域経済の発展や地域創生に取り組んでいます。発電者と電力ユーザーをつなぐ「顔の見える電力」を軸に、地域で生まれた再エネを地域や社会の価値につなげようとしている点が特徴です。

顔の見える電力を届けるサービス「みんな電力」以外にも、様々なサービスを提供しています。ここではその一部を紹介します。

  • みんなワークス

環境改善の領域で、働く場の快適性やウェルビーイング向上を支援するサービス

  • TADORi

商品の素材や作り手、背景にある想いまでたどれる仕組みを通して、エシカルな買い物を後押しするサービス

  • Shift C

ファッションブランドのエシカル度を調べられる検索サービスで、消費者がより納得感のある選択をしやすくすることを目指している

参考:株式会社UPDATER

 

さとゆめ(地方創生×地域プロデュース)

さとゆめは、地域に新しい事業を生み出すことを通して地方創生に取り組んでいます。戦略づくりだけでなく、商品開発、販路開拓、観光事業の運営、人材育成まで一気通貫で地域に伴走している点が大きな特徴です。

道の駅の総合プロデュースや、地域産品の魅力を発信し販路開拓を支える地域商社の立ち上げなど、「地域の方々の夢」を支えています。

 

参考:さとゆめ

 

地方創生を成功させるためには

地方創生を進めるうえで大切なのは、取り組みの規模の大きさだけではありません。

大企業による広いネットワークや資金力を生かした取り組みも、ベンチャー企業による柔軟で地域に寄り添った挑戦も、どちらも地域に新しい価値を生み出す力を持っています。

また、地域のお店を利用する、イベントに参加する、地域の魅力を発信するといった身近な行動も、地域を支える一歩になります

 

まとめ

地方創生は、人口減少や地域間格差といった社会課題に向き合いながら、地域の魅力や資源を生かして持続可能な地域社会をつくっていく取り組みです。そしてその担い手は、自治体だけではありません。

様々な企業や私たち一人ひとりが強みや関心を軸に、それぞれにできる形で地域と関わることが、これからの地方創生を支える力になっていきます。

update: 2026.3.16